しみじみ美味しい!和食でしあわせ 料理研究家 牧 弘美の和食手帳
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長月の和食
秋涼
皆様こんにちは !八月は例年の如く和食の授業はお休みでしたが、お元気なお顔を拝見できて嬉しいです。此の夏は連日新記録づくめの暑さ、東京は全く雨が降らなかったので、秋の農作物が心配です。
九月に入ってもまだ日中の残暑が厳しく、かすかに秋を感じるのは、朝、雨戸を開けた時に入ってくる爽やかな一陣の風、夜になって小窓のカーテンを揺らす気まぐれな風くらいでしょうか。
そこで「早く涼しくなれば良いなぁ!!」の想いを込めて今月の題は「秋涼」といたしました。
これから日一日と夜が長くなってまいります。長月は「夜長月」が語源です。
今年は気象条件の関係で秋を代表する“さんま”“鮭”が不漁のようなので、もう少し待ってみることにしましょう。今、最も脂が乗っていて美味しいのは“鱸(すずき)”です。鱸は夏を代表する魚のひとつですが、今月は鱸を中心に使って夏の締めくくりのメニューといたしました。
2006年7月に仕込んだバジル酒は琥珀色に熟成されて、深く高貴なまでの味わいがあるのですが、少し薬っぽい感もあります。
これを美味しく飲むには何と組み合わせれば良いか?2〜3試してみました。
バジルはトマトとの相性が良いので、トマトジュースはどうかしら?勿論合わないことはないのですが、色が濃すぎて暑苦しい。それにトマトジュースは人によって好き嫌いがありそうです。
そこで、近年流行のトマト水(すい)(トマトからしたたる透明な水)と合わせてみました。
大成功です!ほのかにバジルとトマトの香りがして“大人のカクテル”の出来上がり。飲み口もさっぱりして最高の食前酒になりました。ちなみに、りんごジュースと合わせても美味しかったですよ。
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新れんこんが出回りはじめました。
新れんこんの美味しさは、しゃきしゃきした歯ごたえにあると思います。雁先に近い小さなれんこんを使えば値段も安く、うす切りにすると歯ごたえが良い。
蒸したささ身を細く裂いて一緒に寒天で固めました。
切り口はれんこんの白とささ身の白の層が幾重にもなりとてもきれいです。鮮やかな黄身酢の色、赤唐辛子がアクセントになって料理を引き立てています。やはりガラスの器が合うようです。
笹身と新れんこんの寒天寄せ 黄身酢かけ
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鱸は小さいものから“せいご”“ふっこ”“すずき”と名前を変える出世魚です。
磯魚なので水がきれいな河口付近で獲れたものは味が良いのですが、微妙に臭うものは生では無理があるようです。近年養殖も盛んで品質は一定しており、値段的にも使いやすい。
一尾2kg前後のものが毎日手に入りました。
三枚おろしにして一口大にブツ切りにし、塩、片栗粉をふって茹で、氷水にとる。この茹で加減が大切です。霜降り程度ではなく、やっと火が通ったかな?位で…。
氷と水を張った器にモロヘイヤ白玉と一緒に盛りますが、やはり梅肉だれが一番合うでしょう。すりおろした生山葵を添えました。

「モロヘイヤ白玉」のレシピは「おもしろレシピ」を見て下さい。
白玉だんごのモチモチ感とモロヘイヤのトロトロ感が合わさって、とても美味しいだんごです。

鱸の冷やし鉢 モロヘイヤ白玉 梅肉だれ
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鱸の頭と中骨が残ります。富山では粗(あら)又は残(ざん)といって、粗炊きにしたり味噌汁にします。
魚が新鮮な時は是非、潮汁にしてみましょう。
必ず守りたい手順があります。魚の臭みが全くしない旨味の濃い澄んだ汁の作り方のお勉強です。


すずきの粗(頭と中骨):1/2尾分
塩:大さじ1





水:5カップ+酒:1/2カップ
梅干し:1個(竹串で穴をあける)
だし昆布:10p

・冬瓜:100g
・茗荷:2コ
・黒胡椒(粗引き)
●塩
鱸の潮汁 冬瓜 茗荷 吸口胡椒

1)粗は食べやすい大きさに切り塩をふって20分位おき、熱湯にくぐらせて霜降りし、
  冷水にとって汚れを丁寧に洗う。
※鱗や血合いをきれいに洗い落とすことが大事。あとのアクの出方が少なくなります。
2)鍋に1)とAを入れて強火にかけ、煮立ったら昆布を取り出し火をやや弱め、アクを丁寧にとる。
  25分煮出したら粗を取り出し布漉しする。
※梅干しを加えると臭み取りにもなり、さっぱりとした後口の汁になります。
※出てくるアクはしっかりと取って下さい。
※長時間煮過ぎると、骨が崩れて白濁することがあります。
3)冬瓜は皮をむきピーラーでうす切りにし、茗荷は外皮をせん切りにしてさっと水洗いする。
  (残りの冬瓜、茗荷の芯は即席漬けにする)
4) 2)の漉し汁を鍋に入れ、3)の冬瓜を入れて煮る。冬瓜に火が通ったら、味をみて塩で調味する。
※潮汁は基本的に塩で味を調えます。
5)器に2)の粗と4)を入れ、茗荷を加え、黒胡椒を振る。

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作り方は「おもしろレシピ」で紹介します。

近隣の農家で栽培している珍しいかぼちゃが手に入りました。
名前は「バターナッツ」。
皮ごと食べられて、日本料理にとても合いそうなやさしい甘味を持っています。
種が下のふくらんでいる部分にだけあるのが面白い!今夏はこのかぼちゃを煮物、汁の実、精進揚げ、ポタージュやカレーにもして美味しく食べました。
生産者の方に感謝!!

かぼちゃの重ね焼き
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作り方は「おもしろレシピ」で紹介します。

ズッキーニはかぼちゃの仲間です。外側の緑と内側の黄色っぽいクリーム色の対比が何とも美しい。
更に内側をくり抜いて赤を詰めたらどうなるかしら?
赤はスモークサーモンでいきましょうか。生ハムでも良い!
スモークサーモンなら一緒にケッパーを包んで詰めましょう。
塩気のある食材が今回のズッキーニと合います。
折角きれいな色合いなので、天ぷらの衣は薄衣が良いようです。

ズッキーニの印籠揚げ 陸鹿尾菜(おかひじき)
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吸物で使った残りの冬瓜、茗荷の芯、ズッキーニのくり抜いた芯等と、胡瓜、人参を合わせた塩味の即席漬です。
夏野菜の即席漬
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まだまだ暑いのでデザートは喉ごしの良いものがいい。「てんつる乾麺」(発売元:横浜ふり駒)を使った簡単なデザートです。
「てんつる乾麺」は糸寒天によく似ていますが、茹で戻しても溶けないのが特徴。
冷たい抹茶のシロップに浸して粒あんをかけ、ところ天のようにお召し上がり下さい。
てんつる乾麺の抹茶ぜんざい
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今月も又“一物全体食”(残すところなく全部利用する…食べ物を大切に)のメニューとなり、
全て大好評で教え手としてこんな嬉しいことはありません。
一品一品が家庭料理として応用され、力強く育ってくれることを望みます。